悪をもって悪を征する!ソン・ジュンギ氏は離婚してカッコよくなられた?
あらすじ
イタリアマフィアの顧問弁護士ヴィンチェンツォ・カサノ(ソン・ジュンギ)は、ある商店街に隠された金塊を手に入れようと、5年ぶりに韓国に戻ることに。しかし、大企業「バベル建設」が再開発のために商店街を取り壊そうとしていることを知ったヴィンチェンツォ。取り壊しを拒む商店街店主達の代表で弁護士のホン・ユチョン(ユ・ジェミョン)に協力することになったヴィンチェンツォだったが、「バベル製薬」の不正を暴こうとしていたホン弁護士が事故で亡くなってしまう。
https://www.konest.com/contents/drama_detail.html?id=30455
一方、ホン弁護士の娘で大手弁護士事務所「ウサン」に所属するホン・チャヨン(チョン・ヨビン)は、インターンのチャン・ジュヌ(テギョン、2PM)と共に「バベル製薬」側の弁護を務め、父であるホン弁護士に対立する立場にいた。しかし、ヴィンチェンツォからホン弁護士の死に「バベル製薬」が関係しているかもしれないことを聞かされたチャヨンは、「ウサン」を辞めることに。
そして、父であるホン弁護士の事務所を継いだチャヨンは、ヴィンチェンツォと一緒に「バベル製薬」の不正を暴こうと決意するのだが…。
原題:빈센조
ジャンル:ダークコメディ
放送開始:2021年2月20日
放送分:約80分(全20話)
出演者:ソン・ジュンギ、チョン・ヨビン、テギョン(2PM)、ユ・ジェミョン

感想 -ネタバレなし-
予告編はシリアスなシーンが多く、どんなドラマかと思いきや、第1話中盤からコメディタッチになり、カサノ氏のシャワーシーンはとても笑えます。
コメディでありつつも残酷なシーンが多いです!毎回誰かしら死にます。こんなに人が死ぬドラマはゾンビ系を除き初めて見ます。けれども観たあとのなんとも言えない爽快感があるドラマです。
鬱屈した気持ちがスカッとするサイダードラマ
韓国では見終わった後にスカっとするドラマのことを”サイダードラマ”と呼ぶそうです。反対に喉がつっかえるようなドラマは”さつまいもドラマ”だそう。
ヴィンチェンツォは間違いなくサイダードラマでしょう。
コロナで自由に外出が出来ない上、韓国社会では特権階級の「不正入学」「不動産の不正売買」など、庶民の心を逆なでするような事件が連日報道され、不満がたまっています。既得権益で利益を得る人への怒りをドラマを通じて問題提起しています。「悪魔を倒すのは悪魔」。正義だけではどうしても解決できない、ならば悪をもって征すというダークヒーローが自分の気持ちを代弁してくれているかのような壮快な気分になります。
カサノの愉快なクムガプラザの仲間たち
ドラマの舞台となるクムガプラザに住む住民が少しずつカサノの仲間になっていきます。
みんなで力を合わせて悪に成敗する場面は、少年漫画「ワンピース」のようです。
仲間たちはみな個性が強いキャラクターで、各々の能力を兼ね備えています。ドラマ後半ではこのスキルが生かされるシーンがあり、翻訳で「必殺仕事人」との意訳が最高でツボにはまります。
ソン・ジュンギさんがハマり役・カサノ
ソン・ジュンギさんの端麗な顔立ちとイタリアのマフィア弁護士役が絶妙なキャラクターとなりドラマを盛り上げてくれたことは間違いないです。正直、ソン・ジュンギさんは少し苦手な俳優さんでした。かっこいいのですが、何となく怖いというか、食えない男のイメージがありました。しかしヴィンチェンツォを見るごとに、どんどんのめりこんでいきました。ドラマ後半では身内の仇のため、前髪を整えて敵陣に乗り込む時の冷酷な表情は引き付けられます。ソン・ジュンギさんが過去に主演した「優しい男」のマルにどこか似た、寂し気な雰囲気、姿がカサノ役と見事にマッチしたようです。
ちなみに第8話の色仕掛け作戦はまさかのBL系要素が盛り込まれ、カサノ氏のかっこよさが余すところなく表現され、ソン・ジュンギさんのファンにはたまらないエピソードになります。
敵陣のメンバーの演技力はお見事
チャン・ジュヌ役のオク・テギョンさん、チェ・ミョンヒ役のキム・ヨジン、ハン・スンヒョク役のチョ・ハンチョル、稀代の悪を見事に演じていました。
チョ・ハンチョルさんはドラマ”ロマンスは別冊付録”で温厚な編集者役を演じていられたので、ギャップが激しかった。キム・ヨジンさんも温厚な役のイメージが強くて、このような鬼畜役も演じられる幅の広い女優さんなんですね。オク・テギョンさんはドラマ内の英語の発音が北米系だな~と思っていたら幼少期に米国に滞在され、成績も優秀、中国語、日本語も話せる秀才な方でした。ドラマを通じて3人ともファンになりました!
ラブラインは少な目なのが良かった
相棒となるホン・チャヨンとカサノとの間に恋愛となるエピソードは少しあるものの、前のめりにはならず、これがドラマにおいては大人の関係が維持でき、カサノの緩さが醸し出され過ぎず、クールなイメージのままドラマが終結します。その数少ないシーン(14話)は本当の気持ちを隠しながらも、行動で示すという見事な演出でたまらなくなります。大好きなシーンでした。
ドラマ内の韓国語レベル
中級~中上級です。冒頭はホン・チャヨンと父であるホン弁護士との法廷内での会話はネイティブでも難しい法律用語が飛び交います。ストーリー上、全体的に緊迫した設定が多く、感情がこみ上げ早口なシーンが多く聞き取るのは大変難しいです。もちろんカサノのお母さんとの会話、仕事の依頼をするシーンなど、初心者でも食らいつける会話もあります。あと相手を罵る罵倒用語も盛りだくさん!初心者が現実的に使うことはあまりないでしょうが、ドラマ視聴のためには欠かせないフレーズが盛り込まれています。個人的にはカサノとホン・チャヨンの二人の会話が大好きで、何回も繰り返してみました。会話1つ1つをみてみると、基本的な文法を使っているので、スピードに追い付きと単語力をいかに身に着けるかです。Netflixでは韓国語のCC(クローズドキャプション)機能があるので、シャドーイングに大活躍です。
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